ダライ・ラマ法王の願い・・・


■ダライ・ラマとは

モンゴルの称号で「大海」を意味し、歴代の転生者は、慈悲の観音菩薩、チェンレンシの化身とされます。観音菩薩は、悟りを得ても涅槃に入らず衆生を救済するため転生することを誓願された存在、とされています。

ダライ・ラマ14世テンジン・ギャッツォーはチベット、アムド州北東部の辺ぴな寒村、タクツェル(吠える猛虎)というところの農家の息子として1935年7月6日に誕生。2歳の時に先代ダライ・ラマ13世の生まれ変わりと認められ、1940年にチベット仏教の最高指導者として4才で即位。その後、中国との関係が悪化するなかで15才にして政治的全権を委ねられ、1959年、インド・ダラムサラに亡命政権を樹立。武力を用いず、忍耐と相互信頼に基づく平和的解決によるチベット解放を訴え続けている。1989年、ノーベル平和賞受賞。


■ダライ・ラマ14世からのからのメッセージ

やすらぎ研究所を通して、皆さまが現在約1000人のチベットの子どもたちの里親となって支援してくださっていること、また、目標とする里子の数を2000名にしようと計画されていること、そして、そうした活動とは別にインドのダラムサラにある文部省を通して、種々のプロジェクト資金面で援助されていることなどを聞いて、嬉しく思っております。1959年に亡命生活に入って以来、私どもはこれからのチベットを作りあげる子どもたちの教育を最優先させてまいりました。これが今日までなんとかうまくやってこれたのは、ひとえにインドや日本を含む諸外国からの支援によるものであります。もちろん、まだまだやり残したことはたくさんありますが、難民生活を余儀なくされているチペットの子どもたちの教育は、以前にも増していっそう重要なものになってきております。それはチベット本士に於ける、自国チペット文化、チベット語、チベット生活様式等の破壊…・そうしたことがおこなわれているが故に、多くのチベット人の子どもたちがインドのチベット人学校で勉学を納めようと、チベット本国より逃げてきております。これは明らかに、限られた物的及び人的資源しか持ち合わせていない私たちにとっては、非常に重荷になっております。そうした意味においても、やすらき,研究所を通して、皆さまが教育という分野で支援してくださっていることに対し、深く感謝申し上げます。また、この場をお借りしまして、チベットの子どもたちを支援してくださっておりますすぺての方々に厚く御礼申し上げます。今後ますます多くの日本の兄弟姉妹たちが、この里親制度を支援してくださるよう願っております。成功あらんことを!


1997年12月19日(ダライ・ラマ法王署名)